横浜が「開いた」日。6月2日は港町の魅力を再発見記念日。横浜の街をちょっと深く歩いてみた。
- NAKAJIMA_setubi
- 6月2日
- 読了時間: 4分

1858(安政5)年に締結された日米修好通商条約によって、それまでの静岡県の下田と北海道の箱館(現:函館)に加えて、1859(安政6)年6月2日に横浜と長崎の港が開港したことにちなんで記念日が設けられました。この開港は、日本の近代化と国際化の大きな一歩となる歴史的な出来事でした。当初、開港を祝う行事は行われませんでしたが、翌年の1860年6月2日に開港1周年を祝う祭りが開催され、これが開港記念日の始まりとされています。その後、1928年に横浜市会が6月2日を正式な開港記念日と定めました。現在では、横浜市立の小・中学校・高等学校が休校となり、市民にとって特別な日となっており、毎年6月2日を含む前後の日には横浜みなと祭りとしてイベントが開催されております。
第44回 横浜開港祭(季節的に雨になってしまうことも多い気がします…)
今年の横浜開港祭協議会は、2025年5月31日(土)から6月2日(月)までの3日間、横浜の開港記念日を祝う「横浜開港祭」を開催します。
引用:2025年横浜開港記念祭特設サイト https://www.kaikosai.com
2025年は、横浜港開港166周年を迎え、今年も港への感謝を表す市民祭として臨港パークやみなとみらい21地区、新港地区などで、さまざまなイベントが行われます。
ビームスペクタクル in ハーバー:
6月2日(月)の19:30から20:00まで、臨港パーク前の海上で約3000発の花火が打ち上げられます。音楽に合わせて光と音と花火が融合する、感動的な花火大会です。
ドリーム・オブ・ハーモニー
市民参加型の合唱イベントで、横浜の未来を歌でつなぎます。2025年はスペシャルゲストとして井上あずみさんが出演予定です。
ハマフェスY166
5月24日(土)・25日(日)に、馬車道、関内、山下公園通り、横浜中華街、元町・山手の5つのエリアで開催されるイベントです。音楽やエンタメ、グルメなどを通じて、横浜の魅力を再発見できます。
関連施設もあります。開港記念館と資料館
横浜市開港記念会館
横浜市開港記念会館は、横浜開港50周年を記念して市民の寄付金により1917年に開館しました。赤レンガの外観と「ジャックの塔」と呼ばれる時計塔が特徴で、国の重要文化財にも指定されています。現在は中区の公会堂として、市民に親しまれています。
横浜開港資料館
横浜開港資料館は、幕末・開港期から昭和初期までの横浜の歴史に関する資料を所蔵・展示しています。旧英国総領事館だった建物を利用しており、歴史的な雰囲気を感じながら学ぶことができます。有名なハイネの「ペリー横浜上陸図(ペルリ提督横浜上陸の図:横浜美術館コレクション:1854年以降(嘉永7年・安政元年以降) 著者/ペーター・ベルンハルト・ヴィルヘルム・ハイネ、石版画(原画は油彩画)」の右に描かれている木は、タブノキで、通称「たまくす」と呼ばれており、この木は、横浜開港資料館の中庭に今もあります。1866年の大火、1923年9月1日の、関東大震災で、この「たまくす」は何度も大きな被害をうけますが、その生命は絶えることはなく、当時の人たちによって大切に引き継がれてきました。二度の大きな被害をくぐり抜けた「たまくす」は、1981年日米和親条約締結の地に開館した横浜開港資料館を象徴する有形文化財として、今も立ち続けています。現地に行くと、「あの絵の!」と考えると、とてもロマンを感じます。
横浜のこれから…記憶と誇りをつなぐ記念日として
横浜港の開港は、異国の文化が流れ込み、独自の街の個性が形作られた背景には、開港という大きな歴史的転換点がありました。
開港記念日は、単に過去を振り返るだけの日ではなく、「まちの物語」に思いを寄せ、誇りを持つきっかけとなる大切な日でもあります。そして、未来の横浜をどうしていくか、どんな都市に育てていくかを、次世代と一緒に考える節目でもあるのだと思います。
賑やかなイベントも、静かな資料館の展示も、そのすべてが「横浜らしさ」を再確認する貴重な体験であり、6月2日という一日が、未来へと続く横浜の文化と市民の絆を育む記念日であり続けてほしいと願います。