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核兵器のない明日へ:9月26日に私たちができること

  • 執筆者の写真: NAKAJIMA_setubi
    NAKAJIMA_setubi
  • 9月26日
  • 読了時間: 3分
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「核兵器の全面的廃絶の国際デー」は、毎年9月26日に制定・実施される国際的な記念日です。この日は、核兵器の危険性を改めて認識し、全世界で核兵器を廃絶すべきという意志を新たにする機会とされています。この記念日が制定された背景には、核兵器廃絶をめぐる国際的な努力と懸念の高まりがあり、2013年、国連総会は「核軍縮および核兵器の全面的廃絶を強化するための高レベル会合」を開催しました。その会合は、核兵器の廃絶という目標を改めて国際社会が共有すべきだというメッセージを強める場となりました。


日付選定の意味:1983年の警報誤報事件との関係

9月26日という日付には、意義深い “偶然の一致” も指摘されているそうです。それは、1983年9月26日に、旧ソ連(当時)の早期警戒システムにおいて、米国からの核ミサイル攻撃を誤報とするシステム故障が発生し、一時的に核発射を検討した可能性があったという事件があるためです。もし判断が遅れていれば悲劇が起きた可能性もあったとされるこの事件は、「核軍備と警報・制御システムのリスク」を象徴するものとして語られているそうです。 ただし、公式決議文そのものにはこの警報誤報事件への言及は含まれておらず、日付を選んだ際にはこの歴史的な偶然性を明示的には挙げていないそうです。


日本国内での焦点

日本においては、「日本核兵器廃絶キャンペーン」が、国連情報センターと連携し、東京などで関連イベントを共催する活動をされています。日本は、広島・長崎での被爆の歴史を持つ「被爆国」であり、核兵器廃絶をめぐる国内世論や政策議論には特別な重みがあります。

国際デーや種々の催しは象徴的・啓発的意義を果たしますが、それを現実につなげていくには多くの課題があります。

核兵器を巡る現況 — 増大するリスク

  • 現在、世界には1万七千発程度の核兵器が存在すると推計されています。

  • ロシアや中国、アメリカなど大国が相互の核戦力やミサイル技術を強化する姿勢を見せており、それが他地域の軍備増強を誘発する「スパイラル」の危険性も指摘されています。

  • 核技術の平和利用という名目を装って拡散リスクを高める動き、あるいは非国家主体への技術流出リスクといった懸念も見過ごせないと思います。


記憶と意志を行動に変える日

9月26日の「核兵器の全面的廃絶の国際デー」は、単なる記念日ではなく、核兵器という人類最大の脅威に対して、意志と行動を問い直す日です。歴史的背景と制度的枠組みを確認し、より実践的な運動や政策的連携、若い世代への継承が問われていることがわかります。

日本は被爆国でありながら、禁止核兵器条約に未加盟という現状を抱えています。そのギャップをどう埋め、国内外の運動と政策をつなげていくかが、今後の大きな課題だと思います。また、世界的には核の軍拡・抑止主義の動きが逆流として圧力をかけつつあり、それをどのように抑え、脱却の道に転じさせるかが問われています。

「記憶を風化させない」「被爆の実相を伝える」「政策と市民の意志を接続する」——こうした取組を一つひとつ積み重ねていくことこそが、9月26日の精神を生かす道だと思います。皆がこの日をきっかけに、自らの言葉で考え、声をあげ、行動できるような世界になれば良いと感じています。

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