top of page
  • Line
  • Instagram
  • Youtube
  • Facebook
  • X
  • TikTok

星に願いを。七夕の夜に、祈りを結ぶ物語。変わる七夕、変わらない願い──令和の今、どう過ごす?

  • 執筆者の写真: NAKAJIMA_setubi
    NAKAJIMA_setubi
  • 7月7日
  • 読了時間: 4分

本日、7月7日は、七夕(たなばた)です。日本の夏の風物詩として古くから親しまれてきた行事であり、その起源は中国の「乞巧奠(きっこうてん)」にあります。織姫(おりひめ)と牽牛(けんぎゅう、彦星とも)の恋人たちが年に一度だけ会うことを許されたラブストーリーが有名ですが、実はこのお話は日本独自のものではなく、奈良時代頃に中国から伝わったものだそうです。川の東に住んでいた天帝(てんてい:中国の儒教および道教で信仰されている最高神)は、娘であり機織の上手な織姫と、対岸に住んでいる働き者の牛飼い・牽牛を結婚させました。ところが二人は結婚すると楽しさにかまけて仕事をしなくなってしまい、怒った天帝は二人を引き離して年に一度、7月7日だけ逢うのを許したというお話です。この物語「乞巧奠(きっこうてん)」とは、技が「巧みになるように祈る(乞う)」という意味。織姫にあやかって手芸の上達を願い、祭壇に糸や針、布などを供えてお祭りをするというものです。


「乞巧奠」(きこうでん)の行事が伝えられる以前から、日本のこの季節には「棚機津女」(たなばたつめ)の信仰がありました。


毎年稲の開花時期に合わせて、神様を迎えて豊作を祈り、村の人々の穢れを清める古代日本における「禊」(みそぎ)の行事であり、「穢れ」(けがれ)を祓う行事です。主に農村部で盛んに行われていたと言われています。「棚機津女」(たなばたつめ)とは、人里から離れた水辺に懸造り(かけづくり)の機屋(はたや)に籠って、機織りをして神様をお迎えする乙女(巫女)のことです。身体を清めるために沐浴を行いました。そういったことから、現在でも「七夕」の日に、女性が髪を洗ったり、水浴び、井戸の大掃除「井戸浚い」(いどさらい)や墓掃除、牛馬を洗うといった水に関する伝承が日本のあちらこちらで数多く見られます。この「棚機津女」(たなばたつめ)から、七夕(たなばた)という名称になったとされています。日本ではこの七夕の日が農作物の豊作を祈願する日として定着し。短冊に書く願い事も、昔の「技芸の上達」「裁縫の上達」に関するものだったとも言われています。

中国から伝わった星祭りが奈良・平安時代には宮中行事に。江戸時代に五節句の一つとなり、日本独自の進化を遂げました。「乞巧奠」と「棚機津女」が合わさった感じなんですね…


2025年の七夕イベント・催し物

●横浜七夕祭り2025 in 山下公園

  • 開催日:7月5日(土)・6日(日)

  • 時間:10:00~21:00

  • 会場:山下公園および横浜マリンタワー前広場

  • 内容:「スカイランタン」が夜空に浮かぶ幻想的な演出と、「天の川プロジェクションマッピング」「グルメエリア」や、立ち飲み屋台、ワークショップが展開される横浜で初の大型イベントが開催されるようです。

    転用:神奈川県観光協会 横浜七夕祭り2025 in 山下公園

    https://www.kanagawa-kankou.or.jp/event/7116


● 湘南ひらつか七夕まつり

  • 期間:7月4日(金)〜6日(日) 

  • 時間:11:00〜20:00(最終日は19:00まで)

  • 会場:平塚駅北口商店街周辺

  • 内容:日本三大七夕祭りの一つ。まつりの主役である豪華絢爛な七夕飾りは100本以上の笹飾りが並びます。露店は東海道本通り(オーケー平塚店前交差点からまちづくり財団前交差点までの間)に約100店舗を予定されています。

    転用:平塚市役所 湘南ひらつか七夕まつり

    https://www.city.hiratsuka.kanagawa.jp/kanko/page-c_01099.html


現代の日本人は七夕に何をしたら良い?


短冊に願いを書くことは、昔の「技芸の上達」「裁縫の上達」に関するものだったとも言われています。健康、学業、仕事、恋愛、趣味など思い思いの願いをカラフルな短冊に綴り、笹や竹に結びつけ、地域のお祭りに足を運ぶのは、街の賑わいと文化を感じる絶好の機会ですね。夜の星空を眺め、夏の代表的な星座「織姫星(ベガ)」と「彦星(アルタイル)」を探すのも趣きがあります。


まとめ:星に願いを――七夕という“祈り”のかたち

七夕の夜、天気が良ければ、夏の星座が澄んだ空に瞬く星々が見えます。そのなかに、遠く離れてもなお互いを想い合う、ベガとアルタイルを思うと、今年も夏が来たな〜と感じるところです。短冊に書いた願いは、紙とインクの単なる言葉ではなく、日々を生きる私たちの希望そのもの。誰にも言えない夢、まだ叶っていない約束、あるいは、守りたい家族の笑顔――七夕は、そんなひとつひとつの想いにそっと光をあててくれる日なのかもしれませんよね。現代は便利になり、空を見上げる時間さえ惜しいほど慌ただしくなりました。でも一年に一度、こうして夜空に願いを託す日があること。それはきっと、私たちの心の奥にある“祈る力”を思い出させてくれる、大切な風景となると思います。

bottom of page